|
◆ とりあえず、ハワイ 〜 初めての海外・その3 「皆様、今晩は・・・」 「酸素マスクは・・・」 その後、スチュワーデスが座席ベルトを着用しているかどうか機内をチェックしてまわった。私も普段あんなふうに仕事をしているのかと思うと、不思議な気がした。 「・・・機内の照明を暗くさせていただきます・・・」 「お待たせいたしました・・・」 ベルトサインが消え、アナウンスの後おしぼりのサービス。 しばらくして飲み物のサービス。 その後、食事のサービス。プラスティックのトレイにのっているメインディッシュはステーキ。付け合わせは温野菜で、サイドディッシュになぜかお蕎麦。そのほかにサラダ、前菜、パン、そしてデザート。海外旅行初心者の私にはすべてが目新しい。しかも、飛行機の中で温かいものが食べられるなんて。国内線の仕事でいつも口にしているクルー用の冷たいお弁当には、飽きてしまっていた。普段の食事でもよっぽどのことがなければお弁当は避けて通りたいくらいだった。そのせいか、飛行機を降りてからの食生活が、多少贅沢になっていたのはここで認めておこう。 (ちなみに、「いいレストランがあるんです・・・」とか、「旬の魚を上手に料理してくれるお店があるので・・・」というセリフでデートを取り付けるかたがいらっしゃるけれど、非常に有効なのではないか、と思う。ただしこの場合、クルーは物凄く舌が肥えているので、ちょっとやそっとの美味しいものでは驚かない。そして、二回目以降の約束が取り付けられるかどうかは、「食事の内容」ではなく、誘ったあなた次第なのでそれをお忘れなく。) そして私たちがデザートに差しかかるころ、飲み物のサービスが始まった。 普段、仕事の時にギャレーで一便あたり二百人からのお茶を入れてきた私にとって、「日本茶がおいしいかどうか」は大きなチェック項目だった。無意識に国内線での仕事と国際線のそれとを比べようとしていた。恐らくそれは国内線の先輩達が「国際線の人たち」という呼び方で彼女達の国内線での仕事ぶりを批判していた場面に何度か居合わせたせいだろうと思う。少なくともまだ私は「国内線の人」なわけだから、その肩を持つのは当然なのだけれど。 さっそく注がれた日本茶を一口飲んでみる。 そう思う一方で、次の瞬間、あと二ヶ月足らずで自分が「国際線の人」になってしまうことを思い出し、何とも言えない気持になった。 そうこうしているうちに食事のトレイが下げられ、入国に必要な書類をスチュワーデスが持ち回り始めた。そして、免税品の販売のアナウンス。往路のせいか、買い求める人の姿は私の周りでは見受けられなかった。 映画の上映がないため、私は少し眠ることにした。時計を見るとまだ飛行時間の半分も過ぎていなかった。
その4に続く・・・。 ______________________________________________ *1 ランプ(RAMP) 航空施設の一部で、お客様の乗降、貨物の積み卸し、給油、 整備等を行うため、出発前または滑走路から誘導されてきた航空機が駐機する場所のことをいう。エプロン(APRON)ともいう
|