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◆ おかっぱ?
「訓練中ってみんな『おかっぱ』なの??」
そう友人に聞かれていささか唖然とした私だけれど、
「テレビを見ていたら、『元スチュワーデス』っていう人がテレビでそう言っていたものだから・・・」
と言う。
ちょっと想像してみても、
「同じ制服にみんなおかっぱ頭の図」
は確かに滑稽。でも、経験者に言わせれば、あり得ない話だ。
「それはウケねらいじゃない?少なくとも私の頃はおかっぱは一人もいなかったけど」
「そうよね、本当に訓練を受けた経験のある人が言っているのだから間違いないわね」
友人も納得したようである。
「元スチュワーデス」と言うのなら、もう少し言い方があるように思うのだけれど、まあ、その方もお仕事だからしかたがないのかもしれない。
テレビにしても雑誌にしても、「作られた」部分は少なからずある。実際はそうでないことでも、
「人を楽しませる」
というそれらの役割上、止む終えずそのイメージをつくってしまうことがあるらしい。
でも中には、
「メディアが言っているのだから」
とそのまま信じてしまう人もいる。具体的な例については一々取り上げないけれど、もし、身近にクルーの経験がある方がいらしたら、質問してみるといい。
「100%否定はしないけれど、100%真実だとは言いきれない」
そんな微妙なところで勝手にスチュワーデス像が独り歩きしていることがおわかりになるだろう。
さて、訓練中の髪形についてだけれど・・・。確かに、訓練時にはロングへアーはいなかったものの、
「こうしなさい」
というような指示をされた記憶はない。もしかしたら無意識のうちに、そういうものだという考えがあったからのかもしれない。
なにしろ、ドラマ「スチュワーデス物語」を見ていた私たちくらいの世代にすると、
「訓練所ってああいうところなんだ」
という潜在意識が、いい意味でも、悪い意味でもドラマからでき上がってしまっている。
そこでみんな髪を短くしていれば、
「そういうものかな」
と思うし、いずれにしても、
「新人らしさ」
を求められたのだろう。髪形に時間をかける時間があったら、一人前に仕事をこなすことを考えなさい、という暗黙のプレッシャーだったのかもしれない。聞いたところによると、大昔(?)のある時期は、まるで校則のように、十数種類もパターンの決められた髪形があったのだそうだ。
それにしても、こうしたことの記憶がかなりあいまいなのは、制服や髪形に対して、私自身があまり関心がなかった表れのかもしれない。
というのも、私自身、学生の頃から制服は一先ずそのまま着る主義で、
「毎日着る服を考えなくていいから有り難い」
くらいの考えの持ち主だったからだ。
裁縫が不得意ということもあったけれど、もともとおしゃれをするのなら制服以外で、という考え。わざわざスカートの丈をアレンジしたりするようなことはなく、決められた髪形(といっても、髪が肩に着いたら結ぶくらいのこと)に抵抗を感じることすらなかった。
「髪形が決まっているのなら、恐らくそれが制服にマッチしているのだろう」
そんなふうにしか思わないものだから、おそらく訓練所に入るときに髪を切るように言われたとしても、
「仕方がない、新人だから」
と思うくらいのことで、特に、
「ひどいわ;;」
と嘆いた覚えもない。
もしかしたら、おしゃれな人だからこそ、
「髪を切るなんて!」
という気持ちから、
「おかっぱにさせられた!」
になったのかもしれない。
「制服はびしっと着こなしても、髪形はダサイ」
そんな意外性が、
「メディア的なおもしろさ」
として取り上げられたのかもしれない。
そんなことを思いながら、大昔のアルバムをひっぱりだしてみた。
訓練所時代の写真は、まだまだ、
「制服に着られている」
感じで、板についていない。
同期も皆、髪も短く、それがかえって初々しい印象を受ける。
そういえば、この頃は、言われたことをこなすことに一生懸命で、文句を言っている余裕すらなかった。
「こんな時期もあったな」
と思いつつ、
「やはりおかっぱじゃなかった」
とほっとしたのだった。
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