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スチュワーデスへの道 〜試験勉強
およそ一週間して、面接の結果が発表された。
この段階で会社からO.Kがでれば二次試験の半分まで通してくれるらしい。
私が受験した年の採用試験は四次まで予定されていた。
つまり、
- 一次試験・・・いわゆる「会社訪問」という面接試験。
- 二次試験・・・日本語での面接と英語の面接
- 三次試験・・・体力測定
- 四次試験・・・筆記試験
というようなものだったので「二次試験の半分まで」というのは日本語の面接までを言うらしかった。
幸い、短大組は全員パスできたようだった。
(全員の顔を覚えていないので定かではないが)
しかし、大変なのはこれからである。
学校としても、とにかくできればみんな受かってもらいたい、ということで
「勉強のしかた」「面接の練習」
など、これまでの試験にでた問題をみてくれたり、模擬試験をしたりと対応してくれた。
これから受験のためにしなくてはならないこと。
まず、就職試験に欠かせない「一般常識」「英語」の勉強、それに新聞を読むこと。
あとは体力作りである。
もちろん、「志願者」のなかにはスチュワーデスの専門学校に通う者もいた。
その内容を聞いてみると、接客のことまで勉強しているらしい。
でも、考えてみれば接客に関しては会社それぞれのカラーがあるわけで、入社してから教育されるものではないのだろうか。
「スチュワーデスになったような雰囲気」をその学校で味わうことはできるようだったが、私自身は「ちょっとちがうな」という気がしたので、あえてそういった学校へ通うことはしなかった。
それよりも英語が不安だった。
とりあえず英会話の教室へは通うことにした。
ちょうど面接をうけた会社の子会社が主催している英会話の教室とあって、通っているのは航空業界を目指している人たちだった。すでにスチュワーデスとしての入社が決まっていて、訓練待ちという人もいた。
外人の先生はとても気さくで面白い先生だったので、
「みんなでお勉強している」
というような雰囲気で実に和気あいあいと言ったムードで授業が進められていた。
3ヶ月間という短い間だったがそこに通っている間だけは「就職試験」という文字が頭から消えていたような気がする。
そして、体力作り。
私の場合は、楽器を触っている時間が長いので、運動といえば授業の「体育」くらいなもの。どうしたものか、と考えた揚げ句、早起きしてラジオ体操をすることにした。そして、時間があるときは家の周りをジョギングする。
「会社訪問」の解禁は10月1日。
限られた時間のなかでどれだけのことができるのだろうか。
私の所属しているオーケストラ部では夏の間、北海道へ演奏旅行をすることが決まっていた。それにも参加したい。しかも学生生活最後の年なのだ。社会人になったらもう今までのような生活はできない。とにかく悔いを残したくない。不安と同時に焦りがでてくる。
「いいなあ、四大って。」
オーケストラ部の同級生達はみな四年生大学の所属だったので、なんとなく一人だけ違うサイクルで学生生活を送っているのは損しているような気になっていた。
ぼやいていても始まらない。試験の日にちは決まっている。
それにもし、就職できなかったら?
むしろこのほうが恐ろしい。
今できることをなるべくしよう。
それだけが私にできることだ。
こうした焦りのうちに季節は春から夏へ移っていった。
北海道の演奏旅行へも参加し、夏休みも半ばにさしかかろうとしたとき、思い掛けない事故が起こったのだった。
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